光の行方 〜 賢者の石編 〜    7


ジリジリジリジリジリジリ…

「…、、起きて」

「…ん〜…?エリオット兄様…?」

「起きてくれたかい?ねぼすけさん」

笑いながら目覚まし時計を止めたのはエリオットだった。

「まったく、よくあんな騒音の中で寝ていられるな」

「エース兄様?」

呆れたように、だがこちらも優しく笑いながら言うのはエース。

それをボケっとした顔で見ていただったが、だんだん目が覚めてきて、ようやくその状況がおかしい事に気がついた。

「何でお兄様達がいるの?お仕事は?」

「相変わらず眠り姫の目覚めは遅いんだな」

「今日僕たちは休みを取ったんだよ」

「え?2人とも??」

「「あぁ」」

それを聞いたの顔はぱぁっと輝いた。

「嬉しい!お兄様2人共がお休みなんて久しぶりね!」

「そうだね。それで今日はダイアゴン横丁に行かないかい?父上に買い物を頼まれているんだ」

それを聞いては少し意外に思った。兄達はいつもはあまり外に出かけようとはしないのだ。

しかし、もちろん出かけることが嫌いでないはすぐに答えた。

「えぇ、もちろんいいわ!」



達はアイスを食べながらウィンドウショッピングを楽しんだ。

「ところでエリオット兄様、お父様に頼まれた買い物って何?」

「あぁ、ふくろうだよ。じゃあ買いに行こうか」

3人はイーロップのふくろう百貨店に行った。

薄暗い店内には所狭しとふくろうが並んでいる。

はどのふくろうがいいと思う?」

「うーん、皆いい子そうだけど…」

そういいながらあたりを見渡した。そして端にいる一羽の真っ白なふくろうに目を止めた。

「私、あのふくろうがいいと思うわ」

その会話を聞きつけた店員が寄ってきた。

「あのふくろうですか?いや、あいつは確かに綺麗で頭も良く力もある奴ですが、まだ若いくせにプライドが高くて

人の言うことを聞かないんですよ」

それよりこっちのふくろうはどうです?そういいながら店員は『高級ふくろう(しつけ済み)』と書かれたコーナーに

たちを連れて行こうとした。

そんな店員を無視し、エースは言った。

、呼んでみたら」

「うん…おいで」

が呼ぶと、呼ばれるのを待っていたかのようにふくろうはまっすぐの元へ来た。

その時はホグワーツの手紙を思い出した。

「ねえ、できればこの子をホグワーツに「あのふくろうをください」

連れて行きたいんだけど駄目かしら、と最後までが言う前に、店員の話を聞く振りをしながら達の様子を見ていた

エリオットが、店員に言った。

「は、はい」

店員は驚き目を見張り、そして少し機嫌が悪そうにその真っ白なふくろうを見た。

「これも頼む」

いつの間にかエースが店内で一番よさそうな(値もそれだけする)鳥かご等を1セット持ってきていた。

「は、はい」

今度はどこか機嫌よさそうに返事をして、店員は会計を済ました。

「ありがとうございました。今後も御ひいきに」

現金な店員のお辞儀に見送られ3人は店を後にした。



「はい」

店から出ると鳥かごに入った、買ったばかりのふくろうを差し出された。

「あの、兄様?」

「それは父上からの入学祝のプレゼントだよ」

「この籠とか、えさとかは俺達からのプレゼント」

「え?え?」

エースは驚いているを見ていたずらが成功したような顔をして言った。

「ふくろうが欲しかったんだろ?」

「え、えぇ、何でわかったの?」

そんなそぶりを見せたかしら…。

不思議そうなをおもしろそうに見ながらエリオットも言った。

「内緒だよ。それで僕達にいっぱい手紙を送ってね」

とても嬉しかったし、父や兄達が自分の欲しい物を先回りしてプレゼントしてくれることはよくあったので、

気にしないことにした。

「えぇもちろん!兄様達にいっぱい手紙送るわ。ありがとう!」

そして嬉しそうなを見てエリオットとエースも嬉しそうに笑った。



そんな3人に見とれている周囲や、に見とれている男を牽制する兄達の様子に、

は最後まで気がつかなかった。








もちろん兄達は自分へ向けられる視線もその意味も理解したうえで無視をしています。

この視線をうざったるく思うのと、を人目に触れさせたくないことから兄達はあまり出かけようとしないのです。

ちなみにふくろうを欲しがっていると兄達が知ったのは父からの情報です。


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