光の行方 〜 賢者の石編 〜    28


試合の後もしばらく騒ぎは収まらなかった。
しかしそこから離れていくハリー達とハグリットが見えた為、は慌てて4人を追いかけた。
そして今はハグリットの小屋で濃い紅茶を入れてもらっている。

「スネイプだったんだよ」
ロンがハリーとに説明した。
「君の箒にブツブツ呪いをかけていた。ずっと君から目を離さずにね」

「え?!クィレル先生じゃなかったの?」
「「えぇ?!」」

驚いて聞いたの疑問に2人は更に驚いた声を上げた。
「何でクィレル先生が犯人だと思ったんだい?」
「だって嫌な感じがする方を見たらクィレル先生がブツブツ口を動かしているのが見えたんだもの」

「どうせまた独り言でも言ってたんじゃないか?」
「そうよ。私たちはスネイプが呪いをかけているところをこの目で見たんだから!間違いないわ!」

ロンとハーマイオニーに自信を持って断言されたので、は自分の意見に自信がなくなった。
「クィレル先生だって瞬き一つしてなかったけど…。
でも確かに、普段の態度を考えるとスネイプ先生がやった、という方が納得できるわね…」

「おまえさん達は間違っとる!ホグワーツの教師がそんなことをするわけなかろう。第一そんなことをする必要がどこにある?」
それを聞いてハリーはスネイプがハロウィーンの日に三頭犬の裏をかこうとして噛まれたことを話した。
おそらく三頭犬が守っているものを奪おうとしたんだろうということも。

しかしハグリットは全く聞く耳をもたない。
「4人ともよく聞け。おまえさんたちは関係のないことに首を突っ込んどる。危険だ。
あの犬のことも、犬が守ってる物のことも忘れるんだ。あれはダンブルドア先生とニコラス・フラメルの…」

「あ!」
その言葉を聞いてハリーは声を上げた。
「ニコラス・フラメルっていう人が関係してるんだね?」
ハグリットは口が滑った自分自身に強烈に腹を立てているようだった。







12月も半ばのある朝、目を覚ますとホグワーツは深い雪におおわれ、湖はカチカチに凍りついていた。
隙間風で氷のように冷たくなった廊下を歩いている時、は双子のウィーズリーが雪玉に魔法をかけて、クィレルに付きまとわせて、ターバンの後ろでポンポン跳ね返るようにしてたのを見た。

「フレッドとジョージったら…」
くすくす笑いながらが言うとハーマイオニーも複雑そうに言った。
「あっさりとあんな魔法を掛けられるなんてすごいわ。使い道を間違えているような気もするけど…」

双子は逃げるクィレル先生を指さしてお腹を抱えて笑っている。
「そこがあの2人の2人たる所以よね」
双子はこの後罰を受けたらしいが、踵を返した達はそこまでは知らなかった。




クリスマス休暇ぎりぎりまで、4人はニコラス・フラメルについて調べた。
しかし結局それがどんな人物かわからなかった。
ホグワーツに残るハリーとロンは休暇中も続けて探すと言い、ハーマイオニーは両親に聞いてみると言った。

「私もお父様とお兄様達に聞いてみる?たぶん、1人くらい知ってる人がいると思うんだけど」
も言ってみたが、ロンはすごい勢いで頭を振った。
「いや、あの3人に聞くのは危険だ。下手すると、クリスマス休暇が終わっても家を出してもらえなくなるよ」
何を大袈裟なことをと言いたくなるような科白だが、あの過保護な3人ならあり得る、と実際に彼らを知っている人なら頷くだろう。


もしぶしぶ頷いて、おとなしく帰ることにした。




次回は実家でのクリスマス。

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