光の行方 〜 賢者の石編 〜 18
「初めまして、・嬢」
「初めまして、組み分け帽子さん」
帽子をかぶったとたん聞こえてく来た低い声にはささやき返した。
「家の方々はどなたも難しい。さて、あなたはどこがいいですかな?」
「どこでもいいけれど…」
そう言いながらは考えた。
ロンはグリフィンドールでしょう。ハーマイオニーもきっとグリフィンドールでしょうね。
ドラコは間違いなくスリザリンだわ。セドリックはハッフルパフだって言っていた。
ハリーは…グリフィンドールになっていそう。
こうやって考えてみるとグリフィンドールに友達は多いみたい。
「ではそこにしますかな。
グリフィンドール!
」
は帽子が大広間に向かって叫ぶのを聞いて帽子を椅子においた。
しかし誰も身動きをしない。は少し戸惑って自己紹介をすることにした。
「・です。よろしくお願いします。それであの、私どこの席に行けばいいんでしょうか?」
の声に広間の時は再び動き出したようだった。
一番左端のテーブルから割れるような歓声と拍手が聞こえてくる。
「こちらになります姫」
「どうぞ我らにエスコートする栄誉をお許しください」
フレッドとジョージはに駆け寄ってきてわざとらしいくらい恭しく言った。
「まぁ」
はくすくす笑って言った。
「それではお願いしようかしら、ナイトさん?」
「「光栄の極みです!」」
グリフィンドールの生徒達が「天使が我が寮に!」と騒いでいることにすら気がつかなかったは、
他のテーブルの生徒が意気消沈しているなんて事夢にも思わなかった。
が席に着いた後ダンブルドアの掛け声によって食事が始まった。
ハリーなどのマグル出身の生徒が突然現れた料理に驚く様子は微笑ましかった。
色々な話題が出た。ゴーストのこと、寮杯のこと、家族のこと…。
ネビルの家族の話が出たところでハーマイオニーが突然言い出した。
「そうだわ!ってあの記録者の一族なんでしょう?
記録者って金髪で、緑にも青にも見える不思議な瞳をした人がなるって聞いたのだけど本当?
本当ならあなたが次代の記録者なの?」
ハーマイオニーの言葉に広間は水を打ったように静かになった。
そんな周囲にハーマイオニーは居心地悪く感じたのだがは何でもないことのように答えた。
「そうね。なぜか良く分からないけれど、記録者になるのは全員ハーマイオニーが言ったような特徴を持っていたわ。
でも、今兄弟でその特徴を持っているのは私だけじゃないの。エリオット兄様もなのよ。
だから次代の記録者はエリオット兄様。このことは家族全員が納得している決定事項よ」
「で、でもその特徴を兼ね備えた子供は必ず1人だったって…」
「それは偶然だったんじゃないかしら。
もしもそうだとしたら、エリオット兄様が正当な後継者で私は…」
「おい!」
と、の声をさえぎるようにしてロンが大きな声を上げた。
「どうしたの?ロン」
「い、いや…そうだ!これ好きだったよな?!ほら食べろよ」
「ありがとう…?」
なんだか慌てた様子のロンを不思議そうに見ながらも、はロンの差し出したデザートを受け取った。
「姫、我らの武勇伝をお聞きください」
「去年の冬のはなしです」
そうしてフレッドとジョージが駆け寄ってきてに話しかけた。
その話はこれまでに双子がしたいたずらの話で、も周りの一年生もすぐにその話に引き込まれた。
だからは気がつかなかった。
ウィーズリー家の兄弟全員が一瞬ハーマイオニーを非難するように見たこと。
広間中のマグル出身の一年生以外の生徒が冷たい目をしてハーマイオニーを見たことに。
ヒロインの家庭の事情。本人は無頓着です。
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